今月、国土交通省が、過去に殺人や自殺などが起きた不動産、「事故物件」について、宅地建物取引業者が契約者に告知すべきかどうかをまとめたガイドラインを公表しました。
事故物件とは、不動産の契約締結にあたって、買う側、借りる側の判断に影響するため、「心理的瑕疵物件」とも呼ばれています。
宅地取引業者は宅地建物取引業法上、事故物件について告知する必要がありますが、明確なルールはなく、個々の判断に委ねられていました。
そのため、契約後にトラブルになったり、賃貸不動産への高齢者の入居を断るなど、問題が指摘されていました。
ガイドラインには強制力はないものの、このようなトラブルを未然に防ぐことを狙いとしています。
< 主な内容 >
- 病気や老衰、転倒事故、食事中の誤嚥による死亡は告知の対象外。ただし、死後長期間発見されず、特殊清掃された場合は告知の対象
- 殺人や自殺、火災や原因不明の死は告知の対象。賃貸の場合は、発生から3年を経過すれば告知不要
- 対象の不動産は一戸建てやマンションなどの住宅で、ベランダや廊下などの共用部も告知の対象
- 不動産業者は、通常の物件情報収集範囲内で、、家主や管理業者に確認し対象の事案があったかどうか確認し、周辺住民への聞き取りなど自発的な調査までは義務としない
来月18日まで一般から意見を募り、決定するとのことです。